匠(たくみ)  

この場所だからこそ作り続けられる、凄技の椅子。

今回は、米原で自分のやりたいことをやりながら暮らしている人をご紹介したいと思います。
申し遅れましたが、本人の登場が少ないですが、cometubu案内人のしずえです。
あと今回はどうしてもこの取材には一緒に来たかったという、orite米原スタッフの北川くんも同行してます。

今回は自分らしい生き方ということを、少し気がつかせてもらえる凄技職人の登場です。


まずはこちらをご覧ください。
はい。椅子です。とってもオシャレな椅子。

この椅子たち、一つの問題を除けば完璧です。


それは「座れない」ということ。


この椅子たち、実は1/5のミニチュアチェアー。
それもパーフェクトなミニチュアなんです。

木も木目まで揃えているという精巧な仕上がり。


この超絶技法で家具を作っているのはこの方。
家具職人で浜田家具工房の代表 浜田由一さん。

家具作りの学校で先生を務め、
今でもプロの家具職人に向けてワークショップなどを開いている偉大な家具職人さんです。


これは制作途中の貴重な作品。
パーツの一つ一つも全て同じ手順で制作し、本物と同じ工程を経て組み立てられていきます。


メッキ加工されているものは本物と同じようにメッキ。
止めてあるネジの位置も全く同じで、本物で座面の外れるものはミニチュアでも外れるように制作されています。


もちろん、このサイズ。


そしてこの工房のすごいところが、整理整頓!!
本物の家具を作る仕事道具もきっちりと整理されています。


工房が美しすぎる!ゴミ一つ落ちていない美しさ&全てが完璧に収納されている、美しさ!!
驚きです。。。家具を作っている工房とはとても思えません。


浜田さん(以下 浜)「この2段目の引き出しを開けてみてみ」
しずえ(以下 し)「いいんですか・・・。えええええ!!!!」


し:「これ使えるんですか??」
浜:「当たり前やん、1/5の椅子作ろうと思ったら、道具も1/5でないと。」
し:「こ・・・これ、作ったんですよね?」



浜:「もちろんやん。」
し:「すごすぎる。。。」


浜:「のこぎりもあるよ(笑)」


浜:「じゃぁ、家のギャラリーも行きましょうか。」
北川(以下 北):「やったー!今日はこれを楽しみにやってきました!!」


浜:「この家も築80年の古民家を知人から安く買って自分で直した家なんやで。」
し&北:「ほほ〜!」

浜:「ギャラリーは普段は公開はしてないんやけど、予約もらったら見学してもらえるかな。」
北:「本当にすごく楽しみです。」


浜:「さぁ、どうぞー」
し&北:「うわ〜!!!!!!!」


し:「これ全部作ったんですか!?!?!?!?」


浜:「そう。もともとは家具の修復をするために図面から模型を作って、1/1サイズで作ってたんやけど、最近は技術向上のためにもどんどん作るようになって。」


北:「これ全部でどのくらいあるんですか??」

 


浜:「多分130以上はあると思うよ。」


し:「この椅子とか座面が編んでありますよね。」
浜:「そう。本物の1/5サイズ幅の糸を使って編んである。」
し:「糸のサイズもですか!?」
浜:「そうじゃないと『座れないだけ』の完璧なミニチュアじゃ無くなるやろ。」
し:「それはそうですけど。。。」


浜:「カメラで撮影した時に、本物かどうか区別がつかないことが最低条件やね。」
北:「これは写真を撮ると本当にわかりませんね。。。」


浜田さんは元々大阪出身。
街の模型などを作る仕事や、椅子のデザイン事務所に勤めていたそう。


その頃新しい椅子のプレゼン用の資料としてこのミニチュアの椅子を数百点作っていたことがあるそうで・・・。


ただ、プレゼン資料として制作した椅子はもちろん企業秘密なので
プレゼンが終わればすべて「廃棄」。。。悲しすぎる運命を辿っていたそうです。


し:「こんなに美しいのにもったいないですね・・・。」
浜:「だから、今こうしてスキルアップと趣味を兼ねて作ってるんだよ。」


し:「これらの作品にはモデルとなる椅子があるそうですが。」
浜:「ハンス・ヨルゲンセン・ウェグナー(Hans Jørgensen Wegner)と言う、デンマークの家具デザイナーがいてその人の作品を多く作っているかな。」
し:「ザ・チェア などの作者ですよね。」
浜:「そう。デンマークまで会いに行って直接ミニチュアチェアーを渡したこともあるよ。」

北:「ちなみに一番大変だった作品てどれですか?!」


浜:「これかなーともかく編むのが大変で大変で。。。」


北:「・・・ですよねー。」
浜:「もう作りたくないね(笑)」


浜:「ともかく、大阪時代は忙しすぎた。こっちに移住してからは自分のやりたいことだけをやって生きていくようにしてるよ。」
し:「そのために米原に移住を?」
浜:「そうやね。やっぱり米原と大阪だとどうしても生活コストのかかり方が違う。米原市の方が家さえ手に入ればうんと安く済む。」


し:「その分の時間を自分の時間として生きておられるわけですねー。」
北:「羨ましい生き方です!僕も椅子がすごく好きなので、見ているだけでもうっとりです。」

浜:「一階に本物のザ・チェア あるけど座る?」
北:「ぜひ!お願いします!!」


北:「これっすか。。。マジですね。。。。」
浜:「これも相当修理したんやで。」


北:「では座らせていただきます!」


北:「おー。おー。なんという滑らかさ。」


浜:「よかったね(笑)」
北:「いや〜。最高っす!!」


北&し:「浜田さん!貴重な作品と、貴重な体験をありがとうございました!!」

 

・・・自分の好きなことをやり続けるために都会から米原に移住して、もう10年以上。

田舎に暮らすということの大切な意味を教えてもらった気がしました。本当にありがとうございました。

 

浜田工房 滋賀県米原市大清水1143
0749-58-0902(見学は完全予約制)


2017-01-06 | カテゴリー: 匠(たくみ) 

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